近藤勇二郎ブログ スノーボードと旅

プロスノーボーダーが好きなことを続けるブログです

スノーボードブーツ考察 DEELUXE

南米最南端まで2万kmの旅。

出発前夜に更新します。

 

先日DEELUXEサーモインナーの熱成形をしてきましたよ。ブーツモデルは「Empire」南米でもこれを使います。サーモインナーを成形するオーブンをお借りしたのはアルペン春日井店。アドバイサーの池田さんとお話しつつセルフ成形です。

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Empireはいつでも最高のブーツだけど、今回の遠征にはSPARKを使いたいと思っていました。


SPARKはビブラムソール。グリップ力があります。つま先の補強で、キックステップがラク。アイゼン用のコバ(突起)もついてます。アイゼンやシューの接触する箇所にも爪先同様の補強が入っています。山で使うなら良いことばっかり。

こんな感じのSPARKだけど、ツーリング重視のSPARK派生?のXVeも気になります。

XVeの特筆点はフォワードリーンを解除できるとこ。これがすごいこと。ツアーモード時にストロークが伸びるだけじゃなくて、ふくらはぎにかかる負担を減らしてくれると思います。

 

ブーツに限った話しではないけど、機能がバンバン追加されると、そのぶん重くなることも事実です。

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荷物多いです山のスノーボード

photo Juan Aizpuru©


気になったので以前、手持ちのブーツを計量したんですが

Empire   1000g (17-18 26.5㎝)

SPARK   1150g (16-17 26.5㎝)

ペアで300gの違いってゆう優秀な結果でした。


山で強くてそこまで重くないSPARKにも弱点とゆうか悪い点がありました。ありました、と言うのは今は改善されたからです。

 

まず、つま先が狭かったこと。これは合う人には問題なかったと思います。合わない人には熱成形してもすこぶる痛い。僕もすこぶる痛いタイプ。

つぎにソールがダメになりやすかった。

これはブーツの構造上?製造過程の欠点だったように思います。

そしてソールが高かった。高下駄ソールは登りも滑りも違和感あります。

慣れの問題とも言えるけど、そもそも操作性が難しいスプリットボードと組み合わせてしまうとマイナス面を増やしてしまうことになります。

 

そしたら改善後はどうなったのか?

まずつま先。2016_2017シーズンからつま先を含め先端が広がり、幅広い足のひとでも全く問題にならなくなりました。これはインナーの大幅な変更なのでDeeluxe全モデルに対して言えます。

 

つぎにソール。これも構造改善により剥がれやすかった欠点を完全にクリア。

 

そして高下駄ソールも薄くなり違和感なし。もはや普通のスノーボードブーツと同じ操作性です。

おまけに重量も軽くなっています。

 

こんだけSPARK推してますけど、ぼくが南米に持っていくのはEmpire。    

物流タイミング的にそうなってしまったんですが、少なくともライディングにフォーカスするなら圧倒的にEmpireです。

少しでも氷で滑りそうな登りは最初からアイゼン使っていきます。

 

最後になったけどEmpireへのアイゼン装着はぼくの使用上は問題ないです。ただブーツが壊れやすくなるので推奨はしません。スイスアルプスの評価でさんざん試した結果です。

 

それではそろそろ荷物チェックしときます。

 

 

近藤勇二郎

 

クライミングスキン グルー張替え

南米トリップへの出発まであとわずか。
メンテナンスで残しといたのが、クライミングスキンのグルー張り替え。

シール使用歴は4年。ブランドはG3。
グルーの入れ替え作業について更新します。

短く言うと
・古いグルー剥ぐ
・新しいグルー入れる
・伸ばす(ならす)
こんだけです。

まずはグルーの除去。スクレーパーをカセットコンロであぶりながら根気よく剥ぐ。熱に弱いグルーの特性を利用。

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我ながらカセットコンロは良い発想でした。剥いだグルーを新聞紙に塗りたくりながら剥ぎます。

スキンの端っこはヘラを斜めにあてて注意しながらやる。
でもそこまで気を使う必要はなかったと全工程が終わってから気付きました。

ただ、出来るだけ剥いだほうがこのあとが楽です。


剥げるだけ剥いだら、新聞紙をあてがり、適当な温度でアイロンをあてて残ったグルーを新聞紙に吸わせます。

コピー用紙とか画用紙とか、素材変えて試したけど新聞紙がよく吸ってくれました。

アイロンは90度位が無難。
これを繰り返すと残ったグルーがなくなっていい、表面がサラリとしてきます。
完全なサラリは無理と確信したんである程度で終わらせました。

で、新しいグルー入れ。
グルーは補修でも使い慣れたBLACK DIAMONDのGOLDLABEL。1本1600円。
これでスキンが復活するなら安いもんだけど、単なるケミカルとして考えると高い具剤。

量的には1本でも良いけど、1.5本あればちょうど良い。
これは間違いなくそう。
中途半端に少ないとそれが原因でクライミング中に剥がれるだろうから本末転倒。

実際にクライミングで使用してみればもっと明確な答えが出そうです。


それでから予め準備したのはクッキングペーパー。
これを適当な大きさに切っておきます。
新しいグルーを入れたあとに使います。

チェック柄のペーパーだったので切りやすかった。
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ここからは塗る作業。

少しづつ塗って(チューブから出して)はスクレーパーで伸ばす。
余裕がなくて、塗り画像なし。

塗ってすぐに硬くなるんで手際よくやる。

前述のクッキングペーパーを綺麗に貼り付けて、アイロンがけ。
ワックスのように伸ばすってよりは、適当に塗りつけたグルーを平たく均一にするイメージ。

で、グルーがまだ暖かいうちに、丸い瓶でコロコロして仕上げ。

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うまくいきました。

一応翌日の夜までこの状態で放置してからペーパーを剥がしました。

試しにスプリットボードに装着してみましたが、ベタベタやグルーのカスが滑走面に残ることはありません。

時系列おかしいけど、グルーを剥がし後にシールにもホットワックスを入れました。

良い機会なんで新しいグルーを入れる前に思いっきり入れてみました。
良い機会と言うのは、グルーへの過熱を気にせずできるから。

スキンへのワクシングは、スキンをスプリットボードにつけてやります。
ソールとスキンの間に適当な紙をかましてから、板にスキン装着。


情報によれば毛並みに逆らってやる。
これは両方の意見があるけど、ぼくは海外のワックスマンの意見を取り入れた。

入れたワックスはまたまたDOMINATORのHC1。

シールへワックスする一番の目的は防水。
パラフィンでも良いだろうけど、柔らかいとすぐに汚れるかなと思ったんで硬めを入れました。


低め(90度くらい)でも馴染みます。
試しにワクシングペーパーもあてがってみたけど、汚れが浮く感じはない。

これにてシールメンテ完了。
気持ちがスッキリです。

出発まで残り4日。
あとはパッキングです。

スプリットボード ビンディング考察


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スプリットボードで使うビンディングの考察。

普段のスノーボードにはFLUX。
でもFLUXにスプリットボード用のモデルはないから、スプリットボードをするなら2つの選択肢。

・単体アイテム「スライダートラック」をかましてFLUXを使う。
・スプリットボード用ビンディングを使う。

このどっちかしかない。
結論から言えばスプリットボードにはスプリットボード用のビンディングを使うのが正解だと思う。


ビンディングの裏側(スプリットボード仕様)
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スライダートラック(左)
FLUXにスライダートラック(中)
スプリット用ビンディング(右)


以下、スライダートラックを使うデメリット。

スライダートラックは直線的な形で、本来のビンディングが持つ操作性を大きく失う。
で、スライダートラックの重量も追加される。ペアで約360g。
雑なVoileのインターフェイスとのセッティングで微調整が必要なのに、トラックの調整が増え、さらに微調整や工夫が必要になる。
※最新モデルはそんなことない。

トラックとビンディングを接続するビスの長さや大きさが合わないとうまくスライドせず、ビンディングとトラックの接続に問題が出る。メーカーが用意するものはアテにならず自分でホムセン等で探したり加工が必要。
トラックそのものの厚みで雪面(スノーボード)からブーツが離れ足元感覚が薄れる。

1番のデメリットはノーマルビンディングにはフォワードリーンを逆サイドに倒す機能がないこと。これによってツアー時のストロークが極端に狭くなる(歩幅が狭くなる)。


強いてトラックを使うメリットを言うなら、普段使っているビンディングをそのまま使えるということ。
スプリットボードが初めてならトラックさえ手に入れたら良いのでビンディングぶんのコストを押さえられる。
ストロークの問題は大きいけど、はじめてのスプリット経験としては悪くないはず。


対して、スプリットボード用のビンディング
ベースは金属製。ノーマルビンディングに近い形状をしていて、力の伝わり方に無駄がない。
ビンディングとして特筆する性能はないけど、スプリット用として造られているのでスライドもしやすく、板との一体感がある。
フォワードリーンを解除してストロークを広げられるメリットが何より大きい。

長々と話したけど当然と言えば当然の話。

ノーマルビンディングは通常のスノーボードがやりやすいように、各メーカーさんが真剣に開発してきたもの。
比べること事態が間違い。

どちらかが良い、悪い、の話ではなく比較対象じゃないとゆうこと。



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真夏のワックスとパッキング

南米でのスノーボードに向け、真夏にスノーボードワックスをかけました。


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ワックスブランドはサポートして頂いているドミネーター。地味な準備。スノーボード+雪山登山となると荷物が多いからホットワックスの道具は持参不可。限界まで荷物を絞ります。

 

それでも航空会社の多くが規定する25kgなんて簡単に超える。なので必要な物をバーっとまとめてそこから2、3回パッキングをやり直し。最後の空いた隙間にペーストワックスを押し込みます。

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今回は飛行機を6回乗り換えて南米の端っこに向かいます。

中部国際空港から羽田国際へ。

デトロイトアトランタを経由してチリへ入ります。サンティアゴで1日の待ち。さらにブエノスアイレスまで飛んで、ここで国内線へと乗り継ぎ。

書くだけでも面倒だわ。

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ボードケースはoran'ge。大抵はボードケースとバックパック2つにまとめます。バックパックを2つにする理由は山中泊とそうでない場合のために。あとどうしても荷物が溢れてくるので一個には収められん。

 

これいつも不思議なんだけど

持ち込みはひとつ!としてる航空会社がほとんどなのに対して、ひとつしか持ってない乗客なんて国際線で見たことありません。しかも免税店で買ったりして増えた場合のそれは手荷物として見なされない!とかね。ガバガバです。


エコノミーでも路線や航空会社によって預け荷物の上限もバラバラ。アメリカへのデルタ航空は25kg×2個までOKとゆう神設定。

その後のアルゼンチン航空は15kg1個まで。15kgではスノーボード道具すら怪しい。普通の旅行客だって10kgくらい簡単にいきそうな気もします。

ともかく、オーバーチャージをまともに払うとビジネスクラス買えるくらいになるので25kg前後×1個を目指してセコセコ荷物を吟味するわけです。

 

 

話はワックスへ戻ります。

今回はこのタイミングで新品の板をおろしました。DEATH LABELのDEATH SERIESとDr Raw.

Dr Rawがスプリットボードです。


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まずはベース。

ベースに使うのはドミネーターのRenew

グラファイトが入った使い勝手の良いワックスです。

 

クリーニングとベース作りを兼ねてそれぞれ2回づつ。そして滑走ワックス。HC2にしました。

日本向けに開発された滑走ワックス。すこぶる走ります。だけど今回は特にどれでも良く、トップワックスを入れることが目的。

サラの板でトリップに出るのってなんだか嫌だから。

 

パタゴニアのコンディションは雪ってより氷を想定しています。スピードに困ることはないかなと。バックカントリーでワックスをしっかりさせたいのは新雪と春の滑らない雪です。嫌なパターンはピーク付近では走ったのにボトム付近で走らんくなる。これです。

 

そんな時のためにぼくはドミネーターのペーストワックスを押し込みます。液体やグルーっぽいものって手荷物だとまず無理だから。

 

ワックスのかけ方に興味のあるかたはこちら

ドミネーターのウェブサイトで見ることができます。

 

近藤勇二

 

バイクの冬眠 CB400SS

南米から帰国する頃には日本の冬。
その季節になると趣味のバイクには乗らずスノーボードに乗ります。

前から気になってた所も含め、今日はバイクの冬眠メンテをして過ごしました。


まずはお約束のオイルとエレメント交換。それからアクセルワイヤーやクラッチワイヤーの注油。注油には廃油を使います。これには少しやり方があってそれぞれのワイヤーを外さずにやっています。

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オイル銘柄はシェブロン
車にもバイクにもずっとこれです。
コストコが近所にないからヤフーショッピング。


チェーンもたるみを少し引っ張って、歯ブラシで給油。これにも廃油使用。
冬眠準備としてはチェーンの調整はやらない方が良いかもですね。

関係ないけど、タペット音が前より静かになってました。
なぜか全く分からないけど、そんなことあるんかな。気のせいとは思えないくらい静かになってて嬉しいです。

タイヤが限界。ヒビも多い。
交換するなら次回もまたIRCです。

SS乗りの方なら分かってもらえるかもしれませんが、このバイクで必要以上に飛ばしたり倒したりは求めていません。
ヒビは見ないふりしてタイヤ側面だけケアしておきました。

ついでに錆びやすそうな所(ハンドル周りとか)全てグリス。
シリコーングリスは万能ですね。 
安心感がすごい。

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スポークは1本1本磨くほど忍耐がないので腐食だけ軽く取って、ホイールにもシリコーン

現状でいちばん気になるのはフォークブーツの裂け。交換はだいぶ手間なので今回はパスです。ブーツ交換でフロント全バラシは荷が重すぎる。


最後はブレーキのピストンも揉みしだいて動きをスムーズにしておきました。これもシリコーン
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これだけやるともう夕方。
とゆうより夜。

このままシート被せて冬眠も切ないので翌日試走しました。
バッテリーは死んでたけど一発始動。
夏の19号を中津川方面まで走りました。



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夕暮れのヒグラシはいつ聞いても切ないです。
帰宅間際にガソリン満タンにして、キャブからガス抜いてバッテリー外して終わり。

夏はまだ終わらないけど、このバイクの出番は終わり。来年までサヨウナラです。

近藤勇二

ブログ再開

数年前に閉鎖したブログをここで再開します。

以前はwordpressでホームページを構築してもらい、コンテンツのひとつとしてブログを更新していました。
その9年に渡るデータを記事として復帰させたいけど、僕の知識では不可能ということを理解しています。


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Photo by Robby Brogotto©
Sequence Magazine© IUTER GAMES


当時のブログはそれなりに多くの方が読んでくれて、楽しみにしてくれてれて、僕自身もヨーロッパでの活動記録としてブログを書き連ねていくことをルーティンとしていました。

復活して欲しいってゆうありがたい声も聞いていたけど、そのページを閉じてからはモチベーションがあがらず。


その間、少しだけ活動が休止ぎみになったこともあったけど、ヨーロッパには通い続けています。

スノーボードを中心としたライフスタイルを続けていられることに感謝だけど、現実問題この生活には通常の生活を送るよりも資金が必要です。
言ってしまえば道楽者なので。

それを冬の仕事やスポンサー様との契約金でまかなうことは、ぼくの築いた立ち位置では難しいです。

これまでも金銭的な問題に限らず、活動を退くタイミングはありました。  

でも結局この生活をずっと続けていきたい、ってことが滑り続けて出た答えです。

好きなことを続けるということはイコール、好きなことを続けるための環境づくりだと思うんですが、これは今後も変わらないテーマ。 

話は飛びますが、9月から南米に行ってきます。
パタゴニアの最南端です。
僕にとっては全くの未開。

この少し大胆な計画が今回自分のブログを再開しようと思ったきっかけになりました。

出発まであとひとつき。
高まる気持ちを抑えて、万全なフィジカルを手に入れたいと思います。


近藤勇二
2017年8月 

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Photo by Dr.Yamashita
チャオ御岳スノーリゾート